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【書評】臆病者のための株入門

 

臆病者のための株入門 (文春新書)

臆病者のための株入門 (文春新書)

 

 

目次
第1章 株で100万円が100億円になるのはなぜか?
第2章 ホリエモンに学ぶ株式市場
第3章 デイトレードはライフスタイル
第4章 株式投資はどういうゲームか?
第5章 株で富を創造する方法
第6章 経済学的にもっとも正しい投資法
第7章 金融リテラシーが不自由なひとたち
第8章 ど素人のための投資法

 自身も投資家として活躍している著者の刺激的でわかりやすい株式入門。
 最初は、具体的なテクニックというより、株や市場の持つ投機性やデイトレについてエッセイ風に描かれている。楽しい総論といったところか。
 第8章で以下の条件のもと、具体的な投資法も紹介されている。
  
<株式市場で優位性を得るための条件>
1.株式投資は確率のゲームである。
2.株式市場は概ね効率的であるが、僅かな歪みが生じている。
3.資本主義は自己増殖のシステムなので、長期的に市場は拡大し、株価は上昇する。

<株式投資の代表的な手法のメリット、デメリット>
1.トレーディング(デイトレを含む)
メリット:ゲーム性が高く、ハマるとやみつきに。
デメリット:厳しいゼロサムゲーム。初心者の大概は敗退する。

2.個別株長期投資(バフェット流)
メリット:最も大きなリターンが期待できる。
デメリット:企業調査に努力が必要。

3.インデックス投資(経済学的に最も正しい投資法 著者のおすすめは日本株:海外株 15:85)
メリット:簡単すぎて考える必要がない。
デメリット:平均的にしか儲からず地味。

<感想>
 本屋に行けば、株や投資の本が山のように売られていて混乱するが、3つの代表的な手法に整理されると知って、だいぶすっきりした。
 投資に王道はなく、自分がどのくらいのリスクが取れるのか、どのくらいの労力をかけられるのか、何だったら興味が持てるかの総体で、結局はメンタルを含め自身を知ることが大切なんだな、と実感した。